あの日の草もち

f:id:yumekamo4:20180615000243j:image

@栃木-那須

 

 

「早く風邪治すからな。

あー来てくれて良かったぁ。気をつけてな。」

前日手を握りしめて言った、それが最期の言葉。

 

 

5月の節句

草もちを一緒に作った利用者さんが亡くなった。

孫との草もち−やりたいことをやりたいと口に出せる素直さ− - いつだってシンプル。

突然の熱発の翌日の夜だった。

 

 

私が今の診療所に入職して

一番最初に上司から引き継いだ利用者さん。

 

 

 

 

 

 

難病。初めて関わる分野。

最初はとても戸惑った。

治らない、向上していくのは難しい。

動きたいのに自分では動けない。色々なジレンマ。

 

回復期病院にいた社会人になりたての1年半は、

回復の邪魔しなければ勝手に良くなってくと思って、

どちらかというと部屋で患者さんの話聞いたり、

中庭行って太陽浴びてからリハ室に行く、

そんなぽやーんとしたセラピストでした。

そもそもそんなに自分に自信がなかった。

1年目から根拠なき自信を持てる奴じゃなかったし

人の目を気にして生きてたから

逃げてたのかもしんない。

でもただ単に「とりあえず関節可動域訓練」より、

話してその人のことわかろうとする方が大事だって思ってた。

 

がつがつ介入して、自分が歩かせた、良くしたみたいな

セラピストもいたのかもしれないけど

(断言はしない笑、どこの職場にもいるだろ的なレベル)

多分在宅来たら、そんなエゴな感情吹っ飛ぶ。

 

 

 

難病指定されている疾患は

平成30年4月時点で331種類。

進行性で、現在治癒が見込めないとされている。

障害については色々な意見があるのは知ってる。
社会が障害作っているって思いもすごくよくわかる。
でも物理的に動きを制限されてしまう人もいる。

誰かの手を借りなければ、生きていけない人もいる。

死へのリスクをより多く背負って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一生この病気と付き合っていかなければなりません。しかも良くなっていくことはありません」

と言われたその人たちにどう関わるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

この方と出逢って【寄り添うこと】を学んだ。

触れることー今年もお世話になりましたー - いつだってシンプル。

 

 

 

 

 

 

自分のことを孫のように思ってくれて

自分のおばあちゃんみたいに思ってて

一緒に笑って、一緒に泣いて、時に怒られて

色々な思い出ができた1年半だった。

 

「敬語なんて使うな!家族みたいに思ってるんだから」

「物騒だから、車の中で休まないでうちで寝ていけ」

といっつも優しかった。

 

「めぐちゃんが子供産んだらおぶってうちに来い!

リハビリなんていいんだ、来てくれれば元気が出る」

と未来の私の子供まで楽しみにしていたなぁ。

 

 

 

「こんな体なら

家族に迷惑かけるだけだし早く天国に行きたい」

彼女がずっと口にしていた言葉だった。

彼女の苦しみはわかってあげられない。

それを聞くたびに、

「天国行ったら私と会えなくなっちゃう!

順番があるんですきっと。それまで私の相手をして!色々教えてください。」

と話して「そうかぁ」と笑う。

そんなこと言う彼女だけど

「これだけ毎日色々な人が取っ替え引っ替え来てくれて面倒見てくれるんだ、オレは幸せだなぁ」

と言ってくれてた。

 

 

 

 

亡くなった翌日、

今まで撮った写真を持って最後の挨拶に行った。

今にも起きてきそうな顔で眠っていた。

息子さんに草もち作ったことを話したら

「リハビリの人が来るのをいつも楽しみにしていたよ。

おしゃべり好きだし料理も好きだったから、

色々叶えてくれてありがとう。

最近写真なんて撮ってなかったから使わせてもらうね」

と写真を遺影に使っていただけることになった。

少しだけ家族の力にもなれたのかなぁ。

f:id:yumekamo4:20180615195713j:image

 

 

私たちは、

この世からいなくなった人たちから

毎日生きられることが当たり前じゃないことを

教えてもらえるんだ。

 

生きられる今に感謝することを

教えてもらえるんだ。

 

 

最大限のケアができていただろうか。

難病というものを背負っていても

私といて楽しい人生だと思えただろうか。

もう本人に聞けないから答えなんかない。

 

 

でも

一緒に作った草もちを忘れない。

出会えたことを忘れない。

一緒にいたことを

幸せと言ってもらえたことを忘れない。

f:id:yumekamo4:20180615195541j:image

 

 

育ててくれてありがとうございました。

またどこかで会えることを祈って。

 

f:id:yumekamo4:20180615200619j:image